ウォッカの時代はもう終わり?最近ロシアで流行っているクラフトビールとその種類。

こんにちは!MTC Japan 3代目学生インターンの高山です。焼酎とウイスキー以外のお酒が大好きです。
今回はロシアで最近人気が出てきているクラフトビールについてお伝えします。
〇はじめに
ロシア人と言えばウォッカを飲んでいるイメージですが、近年のロシアではビールやワインなどアルコール度数の低いお酒が人気です。私たちの住むサンクトペテルブルクには多くのおしゃれなバーやパブが立ち並びますが、そこでウォッカを注文する人は少なく、ビールやワイン、カクテルなどを飲む人が多いです。特に、若者にとってウォッカはクラブやパーティーなどで一気にショットしてテンションを上げるための飲みもので、日常的に飲むものではない印象です。
アルコール度数の低いお酒の中でも、ビールはソ連崩壊後から消費量が急激に増え始め、現在ではウォッカやウイスキーなどよりも多く飲まれています。スーパーなどのお酒コーナーにはいろいろな種類のビールがずらりと並びます。
しかし、最近は「バルチカ」などの大量生産で作られたビールに飽きてきた消費者の間で、個性の強いクラフトビールの人気が高まってきています。ビールが好きな私としては面白いテーマなのでクラフトビールについてもっと調べてみることにしました。
〇クラフトビールとは
クラフトビールとは、大企業による大きな工場でなく、小規模なビール醸造所(マイクロブルワリー)で作られたビールのことです。
大手ビールメーカーであるキリンやサントリーが作るビールは大量生産で、幅広い消費者にウケるビールであるのに対し、クラフトビールはマイクロブルワリーで職人さんたちが丹精込めて自由に作るビールです。大手は大量に生産して、大量に売らなければいけないのに対し、クラフトビールは少量生産して、作った分売れれば利益が回収できます。そのため自由度が高く、大手のビール会社が作らないような個性的なビールが作られています。
ビールのスタイルは100種類以上あると言われていますが、大手ビール会社が作っているのは3、4種類ほどです。一方、クラフトビールは大手の作るビールとは全く違うスタイルで作られていることが多いです。苦みの強いIPAや、アルコール度数が10%以上あるビールなど、そのほか見たこともないようなビールに出会うことがあります。大手では生産されていない90種類以上のビールのスタイルを試してみるもの一興です。
〇世界的なクラフトビールブーム
近年、クラフトビールは世界的なブームとなっていて、アメリカ、ヨーロッパ、日本などで生産量、消費量共に増えてきています。2016年現在、アメリカでは市場に出回るビールの10%以上がクラフトビールです。また、クラフトビール市場は前年比で6.2%拡大しました。ヨーロッパでは長いクラフトビールの歴史があり、人々は日常的にクラフトビールを飲んでいます。ドイツの一部の地域ではビール消費量全体の50%以上がクラフトビールです。さらに、2017年~2021年までにヨーロッパのクラフトビール市場は11%成長すると予想されています。
一方、日本ではクラフトビールの消費量はビール消費量全体の1%ほどですが、徐々に人気が上がってきています。都内のビールバーなどには国産のものだけでなく、ドイツやベルギー、アメリカなどから輸入されたクラフトビールが並びます。また、ビールの大手であるキリンやサントリーは成長するクラフトビール市場に目を付け、国内外のマイクロブルワリーに投資を始めています。
〇ロシアのクラフトビール
ここでは私の試したロシアの面白いクラフトビールを紹介します。
ロシアでは2012年に最初のクラフトビールの醸造所が作られました。欧米や日本に比べて遅いスタートとなりましたが、醸造所の数はどんどん増えています。2015年にはロシアのクラフトビール市場は前年比35%成長したというデータもあります。「ロシア人がビールを買うために列を作ったのはソ連時代以来だ」というジョークまでできたくらいです。クラフトビールの人気が上がってきているのが分かります。
(参照https://www.dp.ru/a/2016/04/26/Kraftovaja_jevoljucija)
生産されるビールの種類も様々で、ロシアで取れるベリーを使ったビールや、ロシアの極北部にしか生えていない苔を使ったビールなど、たくさんの面白いビールが作られています。
① COCONUT HEAD
ロシアのHop Head Breweryの作るココナッツ風味ビールです。アメリカンインペリアルスタウトという濃厚な香りが特徴のビールです。ココナッツを使うことでアクセントを加えています。アルコール度数は11%と高めですが、ココナッツの甘い香りのおかげで飲みやすく、グラスが進み、気づけば酔っぱらってしまっているビールです。
② Fruit Ninja raspberries
ラズベリーを使って作った、ベルリナー・ヴァイセ(ベルリン風白ビールの意味)というスタイルのビールです。名前のFruit Ninjaは5年くらい前に流行ったスマホゲームのFruits Ninjaから来ていると思われます。アルコール度数は3.5%でビールというよりもラズベリーのお酒かジュースのようで、とても飲みやすいです。
③ Peachollina
ペッチョリーナという名前の桃を使ったビールです。サワーエールというジャンルに分類されるこのビールは酸っぱさと桃の甘さが共存するさわやかなビールです。
〇最後に
ロシアのクラフトビールはまだ黎明期にありますが、人気はどんどん上がってきていて、市場は拡大しています。これからのロシアのクラフトビール業界の動きが楽しみです。
次回以降はロシアのビール醸造所へのインタビューの模様などをお伝えしていきます。

MTCJapanでは現地に幅広いネットワークを持ち、様々な要望に対応できる日本人スタッフが全て日本語で対応をさせて頂きます。
サンクトペテルブルグ日本領事館、日本センター、日本商工会加盟し、安心と実績のあるビジネス展開し、全てのスタッフが日系企業での豊富な業務経験をもち、迅速対応致します。
様々な日系、ロシア系企業との専属業務提携があり、専門家による迅速な露和・和露翻訳・通訳等もサポート致しますので、ロシアでのメディカルツーリズムやビジネス展開、イベント開催、現地視察から旅行まで何でもお気軽にご相談下さいませ。
同じカテゴリーの関連記事
こちらからまたはお問い合わせページにてMTCJapanへのお問い合わせが行えます。