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ロシアでの生活 ~水道編~

ロシアでの生活 ~水道編~

皆さん、こんにちは。インターン生の玉生です。

最近、ロシアでもcovid-19の感染者がかなりのペースで増えてきました。現在ロシア全土で外出規制が続いており、特にモスクワでの感染者が多く、第2の都市サンクトペテルブルクでも着々と感染者が増えてきているという状況です。外出規制の内容は、基本的には最寄りのスーパーへの買い出しやごみ捨て、ペットの散歩程度しか許せれていません。。たしかに感染者が格段に増えてきているというのは事実ですが、日本と違ってPCR検査を積極的に行っているため、判明数が多いのかもしれません。

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さて、私はというと、3月末に突如発表された国際線の運航停止を前に多くの留学生が日本へ緊急帰国する中、ロシアに残る決意を固めるべく国境閉鎖の前日にアパートの契約をしました。もう契約してしまったので帰るわけにはいきません。

そこで今回はロシアに住み始めていくつかの住環境の違いに気づいたので、とりわけ水道について記事を書きたいと思います。

ロシアに住み始めて1番初めに便利だ!と感じたのが、ひねればいつでもお湯が出るところです。日本では蛇口を開いてから数分待つ必要がありますよね。ロシアではすぐにお湯が出てくるのです。しかしこのお湯、熱すぎるので少々注意が必要です。また温度調節も難しい。蛇口のノズルの角度をミリ変えるだけでも熱湯が冷水になったりします。日々絶叫しながら最高の角度を模索してシャワーを浴びます。

また、これは私の経験で一般的ではありませんが、以前住んでいた大学寮では朝一番の水はかなり茶色く濁っていました。おそらく、夜のうちに配管の中の錆が沈殿するのが原因です。熱湯が通る配管の方は特に錆びるのが早いそうです。また、口に入れると鉄の味がして、口の中を切って血が出ているのかと瞬間的に錯覚するほどです。パスタやそばを茹でる時にはこの水を使うことで効果的に鉄分を摂取することができます。まぁ、私は「そういうもんだ」と割り切っているので特に不便には感じませんでしたが、気になる方もいるかもしれません。

こちらが普段から出てくる水の色。すこし濁ってるのがお分かりいただけるでしょうか。※ロシア全土というわけではなく、建物の古さ、パイプの古さによります。

 

では、この記事ではなぜ蛇口をひねるとすぐにお湯が出てくるのかに注目してロシアのお湯について解説していきます。

ここは温電センター(ТЭЦ /Теплоэлектроцентраль)とよばれ、ここで水の硬度の調整や不純物の除去が行われます。その後ガスや石炭で湯を沸かしていきます。その際に発生する蒸気も無駄にはせず、タービンを回して発電に用います。水蒸気の温度はおよそ600℃にも達するそうです。ここから次の施設へ運ばれます。水温は外気にもよって異なり70℃から150℃で、外気が低いほどお湯の温度を高くして運んでいきます。最終的には、このお湯自体が蛇口から出てくるわけではなく、あくまでも次の施設での水を温めるために使われます。

では飲料水ではないのになぜ硬度の調節や不純物の除去をする必要があるの?と思う方がいるかもしれません。硬水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多く含まれており、これらがパイプの劣化や腐食につながります。水垢を想像していただければわかりやすいと思います。

次は、中央右のピンクの部分に注目してください。地域ごとの設置された中心温熱施設(ЦТП/Центральный тепловой пункт ) にお湯がパイプを通して運ばれてゆきます。ここにある水を前の熱湯で温めるという仕組みです。こちらのお湯は再びТЭЦ(1つ目の施設)へ戻っていきます。

 

こちらがピンクの部分の仕組みになります。この施設で、図のようにТЭЦ(1つ目の施設)からきたお湯を使ってЦТП(2つ目の施設)の水の温度を上げていきます。。

 

ЦТПからの温かいお湯が大きなパイプで建物近くまで運ばれ、建物の地下部で小さなパイプに分割され建物ごとに届けられます。もちろん、上がったお湯は全部使用されるわけではないので上から下まで戻るパイプもあり、ЦТП(2つ目の施設)に戻っていきます。

蛇口から出るお湯の温度は65℃から75℃もあるそうです。どおりで熱いわけです。水温が高い方が細菌が死滅しやすいという理由から設定温度が高いそうです。また、法律で給湯システムの水温が標準より10℃低い場合、支払いも10%減額されると定められています。また水温が40℃から45°Cの温度の場合、支払いは30%減額されます。

こちらがアパート内での水の循環を示した図です。最近では地下の時点で、お湯のパイプと暖房用のパイプを分けている場合が多いようです。図の出典 https://zavodtriumph.ru/articles/382/

さて冬のロシアは外は寒いですが、実は建物の中は意外と暖かいのです。その理由は、建物全体でセントラルヒーティングという方式が採用されているからです。そのため室温は常に20℃前後で暖かく、真冬でもTシャツ1枚で過ごすことができます。逆に、暖かすぎて前日の夜に作ったカレーをコンロに置いておくと、翌日の昼には腐ってしまっているということもありました。2日目のカレーが食べられなくなるので気を付けなければなりません。

こちらが私の家の暖房器具です。触れるとほんのり暖かいというくらいの温度です。洗濯物をパイプのかけておくとすぐに乾きます。

以下の動画ではロシアのお湯の仕組みについてわかりやすく解説しています。特に、初めのパイプで80℃だったお湯が蛇口から出てくるときには60℃になっており、差の20℃はどこへ行った⁉というところに注目しています。ロシア語が分かる方はぜひ見てみてください!

Галилео. Горячая вода (часть 1) (ガリレオ 熱湯について(前編))

Вода в городе: откуда берется вода в наших городах?(水はどこからやって来る?)

ロシアのお湯の仕組みをご理解いただけたでしょうか?四六時中お湯を沸かし続けられるというのは、資源大国のロシアだからこそですね。最後まで読んで下さりありがとうございました!

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