日本とロシアのビジネスを繋ぐMTCJapan

  • ロシア情勢
  • お問い合わせ
Home > クラフトビール市場が成長する3つの理由とロシアのビール事情。

クラフトビール市場が成長する3つの理由とロシアのビール事情。

クラフトビール市場が成長する3つの理由とロシアのビール事情。

こんにちは!MTC Japan3代目学生インターン高山です。
 前回の記事ではクラフトビールの大まかなイメージをお伝えし、ロシアのクラフトビールをいくつか紹介しましたが、今回はロシアから少し視野を広げ、なぜ世界でクラフトビール市場が注目されるのかをお伝えします。

前回記事 ウォッカの時代はもう終わり?最近ロシアで流行っているクラフトビールとその種類。

 
〇なぜクラフトビールか
 まず、少し話を戻して、なぜ私がMTC Japanで「ロシアのクラフトビール調査」事業を立ち上げるに至ったかをお話します。「どうせ酔った勢いで思いついたことだろ!」と言われると完全には否定できませんが、理由は単純で、世界中でクラフトビール市場が注目されているからです。ロシアでクラフトビールに関心が集まるようになったのは極最近であるため、ロシアのクラフトビールの市場調査をすることに価値があると考えました。
ロシアに限らず、世界中でクラフトビール市場が注目される理由は大きく3つあります。

1つ目は世界のビール市場が頭打ちであること
2つ目は顧客のビールの飲み方の変化と嗜好の多様化
3つ目は利益回収率が高いこと

 

1、世界のビール市場はこれ以上拡大できない。
 世界のビール市場はすでに飽和状態にあると言われています。新たにビールを飲み始める人が少なくなっているのです。大手ビールメーカーが新興国に進出し新たな消費者を開拓する、という時代はすでに終わってしまいました。
 むしろ、世界のビール消費量はピークを過ぎて減り始めています。キリンの発表によると、2016年の世界のビール総消費量は約1億8689万キロℓで前年比0.6%減だったということです。ビールの最大消費国中国は3.4%減、ブラジルやドイツなどの市場も縮小、ロシアは1.8%減で、消費量の多い上位5か国のビール市場はアメリカを除き軒並み減少しました。

出典:http://www.kirin.co.jp/company/news/2015/1224_01.html

 一方、大手ビールメーカーのビールの消費に限界が見え始めたのに対し、クラフトビール市場は大きく拡大し続けています。2つ目の理由である顧客のビールの飲み方の変化と嗜好の多様化などに伴い、大手ビールメーカーに飽きてきた消費者が個性的なクラフトビールにシフトするようになってきています。
 近年、自社のトップセールス商品による利益拡大が難しくなってきた大手ビールメーカーも新興市場であるクラフトビール市場で勢力を拡大しようと、積極的にマイクロブルワリーへの投資や業務提携などを始めています。
 北米や西欧では大手ビールメーカーよるマイクロブルワリーへの投資や業務提携がかなり進んでいるのに対し、ロシアではまだまだです。これは日本のビールメーカーがロシアのビール市場に進出する良いチャンスでもあります。

 
2、顧客のビールの飲み方の変化と嗜好の多様化

 ひと昔前の量をたくさん飲むビールの飲み方は終わりを告げ、ビールにも、量より質を重視する人が増えているように感じます。これは日本のビールの総消費量にも表れていますし、世界的な傾向でもあります。クラフトビールの消費量増加の背景には、そうした人々の嗜好の多様化とクラフトビールの多様性がマッチしたことがあると言えます
 大手ビールメーカーが大量生産するのは3,4種類のビールのスタイルに限られるという話は前回のブログでしましたが、これらのスタイルは基本的に「ピルスナー」というジャンルのビールに分類されます。そして多くの人はこのスタイルのビールしか知りません。これはラーメンで例えると醤油ラーメンしか食べていないようなものです。
 また、ビールのグラスも居酒屋でよく見るジョッキのような形だけでなく、下の写真にあるワイングラスのようなものや、化学の授業で使うフラスコのような形のものもあります。使用するグラス、ビールの温度、合わせる料理などを変えることでビールの楽しみ方は無限に広がります。
 さまざまなビールの楽しみ方が広く知られるようになるにつれて、消費者の目がクラフトビールに行くようになるのは自然な流れのように感じます。

 

3、利益回収率が高い
 一般的にクラフトビールは普通のビールよりも値段が張ります。しかし、いわゆる高級ビールといわれる値段の高いビールは利益回収率がいいことで知られています。
 ビールは醸造所で作りますが、仕込みや発酵など時間のかかる手順を踏んで作る為、例えば1か月という期間で、一つの醸造所が生産できるビールの量には限界があります。そのため、高価格なビールを方が高い利益を上げられるのです。

クラフトビールの価格帯

出典:http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20171005_01.html

上のグラフは日本のクラフトビールの価格の分布を表したものです。平均的な価格帯が高いことが分かります。

 一方ロシアでは、経済制裁やルーブル下落で給料が減り、ヨーロッパなどからの輸入ビールの値段が高騰する中、クラフトビールは比較的安価でおいしい国産ビール、「比較的金のかからないぜいたく」と認識され人気を伸ばしてきました。ロシアでクラフトビールが軌道に乗った背景には、味の良さだけではなく、ヨーロッパのビールと比較した時に財布に優しいという理由があります。

 
〇ロシアのビール市場
 ロシアのビール市場は、中国、アメリカ、ブラジル、ドイツに次ぎ、世界5位の規模を誇ります。その消費量は日本の1.5倍ほどです。2000年以降爆発的にビールの消費量を伸ばしてきたロシアですが近年は消費量の増加は止まり、若干の減少傾向にあります。2016年のビールの総消費量は前年比で1.8%減少しました。これは酒類の広告が規制され、増税が行われたことに理由があります。しかし、これらの政策は国内のアルコール中毒者に対する対応であり、主にウォッカなどのアルコール度数の高いお酒をターゲットとしたものと考えられます。そのため、今後の国の政策次第ではビールの消費量がまた増える可能性もあります。

 
〇ロシアのクラフトビール市場
 ロシア国内のビールの総消費量が減少する一方で、クラフトビールの消費量は増え続けています。ロシア人のビールの嗜好が洗練されていき、大手のビールメーカーが苦戦する一方、ニッチなクラフトビール生産者は収益を伸ばしているのです。
 ロシアでは2012年に最初のマイクロブルワリーが作られ、それ以来爆発的にクラフトビール市場は拡大してきました。2017年現在、ロシア全土ですでに1000以上のマイクロブルワリーが存在しています。また、モスクワではほぼ毎日新しいクラフトビールバーがオープンしていると言われています。
 このような、急速なクラフトビール市場の拡大に対し、ロシア政府は自由奔放主義の姿勢を取っています。クラフトビールの生産と販売に関する法律はまだできていません。例えば、現在のロシアのクラフトビール業界を引っ張る先駆者たちの多くは最初、自宅の台所でビールを製造し、販売していました。そして製造と販売の規模を拡大し、現在に至っています。また、ビールしか出さないパブやバーならば、酒類販売許可証なしで営業できます。クラフトビールの製造と販売は法的なグレーゾーンにあり、誰でも始めようと思えば始められる状況にあります。
 しかし、政府が市場に介入していないということは、現在の曖昧な法律が突然強化されるという可能性をはらんでいるため、これからの動向を見守る必要があります。

 
〇最後に
 クラフトビールがなぜ注目されているのか、ロシアのビール市場の現状がお分かりいただけたと思います。次回はロシアのクラフトビール業界の先駆者たちへのインタビュー、日露間のクラフトビール貿易の可能性についてお伝えします。

MTCJapanは日本人によるロシア現地法人として、日本人が細やかなサービス・サポートをすることが出来る唯一の企業です。

MTCJapanでは現地に幅広いネットワークを持ち、様々な要望に対応できる日本人スタッフが全て日本語で対応をさせて頂きます。

サンクトペテルブルグ日本領事館、日本センター、日本商工会加盟し、安心と実績のあるビジネス展開し、全てのスタッフが日系企業での豊富な業務経験をもち、迅速対応致します。

様々な日系、ロシア系企業との専属業務提携があり、専門家による迅速な露和・和露翻訳・通訳等もサポート致しますので、ロシアでのメディカルツーリズムやビジネス展開、イベント開催、現地視察から旅行まで何でもお気軽にご相談下さいませ。

同じカテゴリーの関連記事

こちらからまたはお問い合わせページにてMTCJapanへのお問い合わせが行えます。