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ロシアのグルメバーガーブームの今

ロシアのグルメバーガーブームの今

グルメバーガーは次のスシだ!

ロシアでは現在グルメバーガーと呼ばれる単価が700~1000円くらいのプレミアムバーガーがブームとなっており、商品を提供する店が、モスクワ、サンクトペテルブルクなどの大都市を中心に乱立しています。
ロシアの飲食業界のアイコンであるアルカディ・ノヴィコフ氏も「グルメバーガーはロシアにおける次のスシだ!成功に必要なものは良い肉とうまいバンズ、ただそれだけだ。」と述べています。
マクドナルドやバーガーキング等とは価格帯やクオリティの面で一線を画す、これらのグルメバーガーの人気は高まる一方で、新規参入をしてシェアを伸ばすプレーヤー、ファインダイニングのレストランチェーンの新業態として投入されるパターン、有名芸能人がオーナーとなって話題作りを行う店舗など顔ぶれも非常に豊かです。今回はそんな熱気高まるロシアのグルメバーガー市場のキープレーヤーをいくつかご紹介したいと思います。

最も勢いに乗るニューカマー Burger Heroes

Burger Heroesは、モスクワを中心に10店舗を構え、グルメバーガーとしては安価な価格設定で若者に人気を博しています。最近ではChihana No1を展開する、大手レストランホールディングのRestARTから出資を受けるなど市場で話題のプレーヤーです。創業者のイゴリ・パドストレシュニ氏は現在若干28歳で、Burger Heroesを始める前にはGyros for Heroesというギリシャファストフードのブランドをフードトラックで展開していました。Burger Heroesとしての最初の店舗は2015年にボリシャヤ・オルディンカ通りに30席ほどの店舗を約800万円ほどの投資で作り、ほどなくして2店舗目をクズネツキーモスト通りに600万円ほど投資して開店させました。

商品価格は最も安いチーズバーガーが250ルーブル(約500円)とグルメバーガーとしては非常に安価に抑えられています。低価格が維持できる理由についてパドストレシュニは以下のように語っています。「私たちはウェイターによる接客をやめ、セルフサービス方式を採用しました。また、広告費用、マーケティング費用を削り、すべてを食材につぎ込んだのです。プレミアム牛を使用した結果、原価率は40~50%となっています。」Burger Heroesは現地の精肉大手のザレチュノエと契約を結んでおり、同社のプレミアムブランドであるプライムビーフを使用しています。現在9つあるレストランの月商は総額4千万ルーブル(約8,000万円)とのことですので、一店舗当たりでならして月に900万円弱の売り上げがあるということですね。

パドストレシュニ氏 曰く、マーケティングにかける費用は売上の1%以下となっており、プロモーションにはフェイスブックやインスタグラムを活用する他、ライフスタイルメディアと呼ばれる、ファッション感度の高い若者が購読者である、АфишаThe VillageTrend spaceへの広告や、Adidas、Jack Daniels、Red Bull等の企業とのコラボレーションでブランドイメージ作りをしているとのことでした。同ブランドのペルソナは「22~30歳代の若者で、専門的な仕事についており、中の上流階級に属し、クリエイティブな仕事についている」というものだそうです。

最近10店舗目となるお店をウファにオープンさせました。現在Burger Heroesはフランチャイズ権を販売しており、価格は200万ルーブル(約400万円)とのことです。今年度は最低でも6店舗の新規開店を予定しており、18年度までには20店舗に拡大する予定とのことです。

有名ラッパーティマティがてがける Black Star Burger

Black Star Burgerは若い世代に人気の有名ラッパー、ティマティが出資者として名を連ねていることで知名度抜群のブランドです。現在モスクワに2店舗を構えています。2016年の秋にオープンした最初の店舗は、ノーヴィ・アルバート通りに4時間待ちというディズニーランド張りの行列を作って話題になりました。ハンバーガーと一緒に渡される黒いビニール手袋(食べる時に手が汚れないように装着する)も物珍しさを呼んでインスタグラムなどSNS上で話題になりました。日本でも芸能人が名前だけ貸すような形で、クオリティがひどい店舗はあるわけですが、ことBlack Star Burgerに限って言えば、レストラン批評家からの評判も悪くなく、実際私も食べてみましたが問題ないクオリティだと思いました。

ノーヴィ・アルバート通りにオープンさせた1店舗目は、広さ90平米に75席を有しており、2,000万ルーブル(約4,000万円)の投資が入っています。ツヴェトノイ通りにオープンした2店舗目は120平米に90席で、2,500万ルーブル(約5,000万円)を投資して作られたとのことです。共同出資者のユリー・レヴィタサ氏によると、売上は堅調に伸びており、すでに2店舗ともに投資分は回収済みとのことです。同店舗(2店舗)の平均来客者数は2,000~2,500人で、日に4,000個のバーガーを販売し、客単価はおおよそ800ルーブル(約1,600円)とのことです。同店ではデリバリーも行っており、日に20~40のバーガーの販売があるそうです。一店舗で働いている人数は125名!で、24時間営業のため昼と夜の2交代制を敷いているようです。肉はBurger Heroes と同じく、プライムビーフを仕入れているとのことでした。現在新しい店舗をグロズヌィにオープン予定でおり、ショッピングセンターのEvropeyskiyにも新店舗を開店予定、フランチャイズは現在募集はしていないとのことです。

グルメバーガーの老舗 BB&Burgers

BB&Burgersはモスクワを中心に10店舗を展開し、この頃サンクトペテルブルクにも目抜き通りのネフスキー通りに初店舗を出店したグルメバーガーの老舗です。創設者のイヴァン・クカルスキフ氏はスイスのローザンヌホテル大学でホスピタリティを専攻した経歴の持ち主で、大学時代に現地のグルメバーガー店に通ううちに、グルメバーガーのフォーマットの可能性にほれ込み、大学の卒業論文でバーガー店のビジネスプロジェクトについて書いたほどです。

今でこそ10店舗を展開しグループ全体で年商3.6億ルーブルを稼ぎ出すまでになりましたが、最初に始めたビュッフェ形式の店舗は鳴かず飛ばず、グルメバーガーのフォーマットで始めた店舗では設備をケチってDIYした部分があだとなり火事を起こしかけ、FC店舗もロイヤリティをまともに払わないフランチャイジーに当たる等、色々と苦労された話がこちらのインタビュー記事に載っています。記事内でBB&Burgersの店舗の投資額とラフなPLの情報が載っていましたので以下にご紹介したいと思います。

まとめ

今のロシアのグルメバーガーブームは留まるところを知らず、モスクワとサンクトでは日々店舗が増え続けています。中には大都市から中堅都市へと店舗展開をし始めているところもありますが、所得水準が異なるため、大都市圏と同じような価格設定で通用するかは疑問が残るところです。モスクワでは既にグルメバーガー店は飽和状態に近いとの意見もあり、今後弱いブランドは淘汰されていく運命にあると考えられます。今回ご紹介した店舗は市場のプレーヤーの中でも成長株ですので、今後の動向に注目していきたいと思います。

コンサルティング部門
マネジャー 山田

MTCJapanは日本人によるロシア現地法人として、日本人が細やかなサービス・サポートをすることが出来る唯一の企業です。

MTCJapanでは現地に幅広いネットワークを持ち、様々な要望に対応できる日本人スタッフが全て日本語で対応をさせて頂きます。

サンクトペテルブルグ日本領事館、日本センター、日本商工会加盟し、安心と実績のあるビジネス展開し、全てのスタッフが日系企業での豊富な業務経験をもち、迅速対応致します。

様々な日系、ロシア系企業との専属業務提携があり、専門家による迅速な露和・和露翻訳・通訳等もサポート致しますので、ロシアでのメディカルツーリズムやビジネス展開、イベント開催、現地視察から旅行まで何でもお気軽にご相談下さいませ。

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